大阪府は3日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、重症患者が急増している状況を受け、府の独自基準「大阪モデル」で非常事態を示す「赤信号(レッドステージ)」を初めて点灯することを決めた。吉村洋文知事は府内の医療体制が逼迫しているとして、「医療非常事態宣言」を出した。
大阪モデルでは、府内で確保のめどが立っている重症病床(206床)の使用率が70%に達した場合、赤信号を点灯させるとしている。3日現在の重症病床使用率は66・0%だが、11月28日の51・9%から12月3日までに15ポイント近く上昇。府の試算では、新規感染者数が横ばいで推移しても、8日には70%を超える見通しだ。3日には重症患者数は過去最多の136人となった。
会議では、4日午前0時から15日までの間、「できる限り、不要不急の外出を控える」ことを府民に求めることを決定。府は「不要不急の外出」の具体例は明示しておらず、吉村知事は記者団に「人によって解釈は変わる。一人ひとりの判断に任せたい」と述べた。
大阪市の北、中央両区の全域で酒類を出す飲食店などに要請している営業時間の短縮(午後9時まで)については、11日までの予定を4日間延ばし、15日までとすることも決めた。学校に対しては、赤信号が点灯した際に実施するとしていた短縮授業や分散登校は求めないが、近距離での接触を伴う運動や合唱などは制限するよう求めた。